食べログの功罪(7) ~風評被害問題を考える~
3月2日付で、食べログを運営する株式会社カカクコムが平成23年2月度のアクセス状況レビューを発表した。食べログのページビューは前年比48.1%増の3億9,260万とあり、競争の中にあって見事な成長を遂げていることがうかがえる。
この食べログという仕組みは非常に良く考えられている。多くのレビュアーに自腹を切って得た情報をタダで提供させ、その情報を金に替えるという意味においては、天才的なアイデアだと言っていいだろう。筆者としても、とてつもない将来性を感じずにいられない。
しかし、成長で社会的な影響力が増していくのと並行して、問題も膨らむことになる。現在のように、情報を集めることにばかり力点を置き、非常識な店舗攻撃にも対処しようとしない方針を続ければ、全国規模で食べログに泣かされる店主が増え続けるだろう。
では、食べログの運営サイドは今後もそういった店舗への風評問題を放置し続けるのだろうか?筆者の見解は違う。
運営者が訳のわからない団体や個人ではないからだ。株式会社カカクコムはれっきとした一部上場企業だ。言うまでも無く上場企業はレピュテーションリスクに敏感であるべき存在だ。今はサイトとしての規模拡大を優先してリスク要因を軽視しているようだが、いずれ方針を見直す時期がやってくるに違いない。
この分野で絶対的な地位を築き、安定した収益を確保できる体制にしたうえで、自ら保守的な運営に舵を切るという線も十分に考えられるだろう。もちろん、その前に風評被害を受けた飲食店による集団訴訟や、マスコミによる食べログ問題の狙い撃ちなどを受け、外圧で方針を変えざるを得なくなる可能性も否定できまい。
筆者は食べログというサービスの食文化への貢献も見逃せないと考えている。この一大スケールの情報サイトは、無形の社会インフラとして、客観的に評価した場合の価値も十分に高いと言えるだろう。
しかし、肥大化して力を増せば、その影響で飲食店を生かしも殺しもすることになる。もはや健全化に向けた取り組みは待ったなしの局面だ。店舗への風評問題を放置して食べログをモンスターにしてはならない。そのためには、飲食店側から上がる声にもう少し耳を傾けることが求められるだろう。

